男性の更年期治療には、テストステロン外用(男性ホルモン含有クリーム)又はアンドロステディオン内服療法を行う方法もありますが、専門的知識と注意が必要になります。テストステロンは,体内でコレステロールが代謝されDHEAを経て合成されます。したがって、DHEAの内服は、より安全に男性更年期症状を改善することが出来ます。DHEAは、思春期前はきわめて低値を示し、思春期に著増し、20歳でピークに達し、以後加齢とともに直線的に著減します。DHEAを補給すると、気分がよくなり、性欲を増進させ、抗肥満、筋肉の増加、免疫系の強化、血糖値の改善がみられるようになります。現在、米国では医薬品としてではなくサプリメントとして販売されています。しかし、その純度、含量はメーカーによっては問題があり、信頼されるメーカーの製品を服用する必要があります。また、DHEA補充療法をおこなう際は、血中DHEAを測定し内服量を調整する必要があります。多くのステロイドホルモンがそうであるように体内で合成されるDHEAは、午前中に多く分泌されます。したがって、朝食後にDHEAを内服するのが自然と考えられています。DHEAを内服するとテストステロンが増えますので、高齢者では前立腺肥大症や前立腺癌のリスクが上昇する可能性があります。高齢者では、血中DHEAと前立腺腫瘍マーカーのPSAの定期的な採血検査をお勧めします。また、メディカルハープのノコギリヤシ(SAW PALMETTO)の錠剤を前立腺肥大の予防に同時に内服することをお勧めします。